9月29日に第5回目の連続勉強会が開催されました。
今回も参加した学生サポーターさんから、
その様子をまとめてもらいました。
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9月29日にぽるとの第5回目の勉強会が開催されました。『子どもに関する法律講座 ~少年非行、親権制度、シェルター入所に関連して~』というテーマでぽると理事の弁護士水内基成さんのお話を聴きました。
子どもに関係する法令として民法では児童福祉法、児童虐待防止法、DV法、少年法、家事事件手続法(H25.1.1施行)、「子どもの手続き代理人」制度の新設などがあります。
また、親権の条文には「親権を行うものは子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。」(民法820)、「成年に達しない子は、父母の親権に服する。」(民法818Ⅰ)とあり、子どもと親の親子関係の法律では、自然的(実)親子関係(血縁による親子関係)と養親子関係(法律による親子関係)の二種類あり、養親子関係にはさらに普通養子と特別養子と分類されます。
特別養子では実親との親子関係が消滅するため、虐待親から引き離すには有効となります。(特別養子は養子となる子どもが6歳未満、養親となれるのは夫婦だけで家庭裁判所の審判等の要件が必要となる。)
しかし、親子関係があることと親権者であるということはイコールではなく、親権者でなくなったとしても、父母である以上は、子の婚姻への同意権、扶養義務、相続権等は失われません。
『戸籍から抜く』『親子関係を否定する』ということは基本的にできないということを聴きました。
被虐待児の中には虐待されても自分の親が好きだという子どももいれば、もう虐待をしてきた親には会いたくないという子どももいると思います。
虐待をした親には二度と会いたくないといった子どもにとって今の日本の親子関係の法律や親権の制度の下では、完全には切ることのできない縁があり、とても煩わしいものになるのではないかと感じました。
親権の停止(民法834)に関する話では、要件として「父または母による親権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害するとき」とあり、最長2年間親権を停止することができ、医療ネグレクト(ex.手術する許可を出す際、親権を代行して手術を行うことができる。)等への有効な対応になることが期待されているということを知りました。
参加者の方々から、手術する際の許可などは非常に緊急性が高く、早い対応が求められるという意見があり、子どもの生命や今後の生活の保障のためには迅速な手続きが必要になってくるのだと感じました。
しかし、親権の制限や停止、喪失等は非常に珍しいケースであり、子どもが拒否している限り親権の制限等が復活することはないということをお聴きしました。
子どもに関する法律は数多くありますが、大人の都合で話を進めていくのではなく、一番大切なのは子どもがこれからどのように生活したいのか、どのようにしてほしいのかといった子どもの意見を尊重することだと思いました。
子どもの権利を守るため、未成年後見(民法838以下)や司法手続きにおける子どもの意見表明権(子どもの権利条約12条)といった子どもの手続き代理人制度があり、子どもの意見を代弁する制度があります。
しかし、子どもが『お父さんとお母さんと一緒に暮らしたい』と言っても、父母の関係が悪ければ、今後一緒に生活していくのは困難であり、代弁しても子どもの希望通りにいかないこともあるのかもしれないと考えました。
そのためにも様々な法律や制度を作ったり改正していったりしていくことも必要ですが、親子分離や離婚という決断に至るのを防いでいくことが必要になってくるのではないかと思いました。
乳児の虐待を防ぐために訪問事業や要保護児童対策地域協議会などを行うのを強化していくことで親子分離や離婚を最終的に防いでいけるのではないかと思いました。その防止の一環としてぽるとでは児童相談所と連携し、子どもの最善の利益を守っていくことが大切であると思いました。
(新潟青陵大学 穂刈祐子さん)
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この回をもって「こども支援のための連続勉強会」を終えることが出来ました。
初回から第5回まで、多数の皆様から積極的に参加していただけましたことに感謝いたします。
この勉強会に3回以上参加していただき、今後、ぽるサポとして活動して下さる方を対象に、ぽるサポ登録も含めた事前オリエンテーションとしての研修会を行います。
★詳しくは、このブログの右のリンクをクリックして、
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今後も機会を設けて、勉強会等を開催していきたいと思っております。
その際には、ご参加よろしくお願いいたします。